豊穣なる愛媛の文化
町や村から往時の風景や賑わいが薄らぎ、やがて人々の生活の足跡だけが遺された後、土地の面影を刻んだ詩歌や文章、絵や映画は精彩を放ち始める。
愛媛ゆかりの文学や文化を縦横に語る随筆集。三部作の第一作目・中予編。虚子、つる女、草田男、波郷、山頭火、そして子規、漱石―。俳都松山を中心に数々の文学者が残した足跡の他、市電に県庁、狸伝説、遍路の札所、タルトや松山基地の紫電改をめぐる逸話など往時の中予地方の文学、文化を偲ぶ。