白豪主義の中でたくましく生き抜いた日本人たちの記録
明治維新後、おびただしい数の日本人が海外に向かった。その多くの目的地は南北アメリカ大陸であったが、和歌山、愛媛、鹿児島を中心にオーストラリア(豪州)を目指した人も多い。彼らは真珠採取船の乗組員を始めとしてあらゆる職業に就いた。あるものは成功をおさめ、あるものは失意のうちに人生を終え、また、第二次世界大戦の時代には収容所での生活を余儀なくされた。そうした中、彼らは様々な歴史を刻みつつオーストラリアを第二の故郷とした。