きっかけをくれたのは高知の高校生たちだった。
彼らは被ばくした多くの船の乗組員の聞き取りをしていた。
核実験による被害は、第五福龍丸だけではなかった――
隠されていた真実を追って、一ディレクターの闘いが始まった――
一ディレクター(南海放送・伊東英朗)の闘いは、ドキュメンタリー映画『放射線を浴びたX年後』(ギャラクシー賞報道活動部門大賞、ほか多くの賞を受賞)や本(同名)として結実し、現代の私たちに今も続く核を巡る諸問題を問いかけた。
本書は、はからずもそのことにより自らの父の生と死の意味を知った高知在住の一漫画家により描かれた、一ディレクターの歩み、そして彼が伝えようとした真実である。
彼らの闘いは、今も続いている。
原作:伊東英朗 著 『放射線を浴びたX年後』(講談社)