昭和の俳句は今も息衝き、現在に呼びかけている。それを可能としたのは、その時代に相応しい表現を俳句形式に求め続けた挑戦者たちがいたからである。彼らは正岡子規亡き後の俳壇において活発に俳句表現論争を繰り広げ、それは戦争を挟んだ社会の変動や社会意識の変化と同期をとるようにして展開された。本書では草城と誓子、窓秋と白泉、そして草田男の作品をもとにその時代を探る。