昭和初期に俳句に新風を吹き込んだ4Sの一人と言われて活躍した市井の俳人、阿波野青畝。その生涯と俳句の生まれる土壌を辿る。丁寧な取材と資料の読み込みで、93歳で没するまで市井の俳人で在り続けた青畝の魅力に迫る。
「詩性ゆたかな俳句を自在に開拓」しようとした都会派・青畝。
その青畝が、「やあ」と軽く手を振って現れる。これはそのような本である。(坪内稔典)