大阪商業会議所会頭を二十三年の長期にわたって勤め上げた土居通夫。 その人生はまさに堪忍の自戒につき、決して華やかではない。しかし、明治中期から大正初期における大阪財界は彼をトップに頂いて発展したのだ。そして、彼の残した通天閣は大阪人の心となった。 その不思議な魅力に魅せられた同郷の著者が、今、彼の歩みをたどる。