近代化以来、われわれ人類が、次第に生きていけなくなっているのは、地球の温暖化のせいだけではない。著者は、人類の歴史は人類のただ一つの生きるよりどころである社会的分業の歴史であるとする、自らの考え方に基づき、その責任の所在を明らかにすることを試みる。その結果、人類の存亡を決定することになる由々しき事象の根に辿り着くが、同時に、その根を無くすことは、一筋縄では行かない至難の業であることも分かってきた。人類はこの難題をどう解決すればよいだろうか。