江戸時代の伊予の国・瀬戸内藩(架空)を舞台にした時代小説。大名の落とし胤でありながら貧しい山村に育ち、家族のため遊女にならざるをえなかった姉と、村人のため一揆を企てその首謀者として処刑される弟を中心に、幕藩体制の下の苛酷な運命を懸命に生きる農民の生きざまを、独自の歴史・人生観から鮮やかに描く。