19世紀前半、国際的な捕鯨産業の絶頂期、日本の沿岸海域では米・英および豪州からの捕鯨船により血にまみれた営為が積み重ねられていた。
本書は豪州の捕鯨船「レディロウエナ号」船長による未発表の航海日誌に基づき、また、日本の古文書を補助資料にして書かれた海洋冒険物語である。本書により明らかにされる知られざる日豪関係史は、今日論争の的となっている日本の捕鯨問題に対して、歴史的な観点を提供している。