『日本少年』は1889年、アメリカで出版された後、約100年の時を経て西欧の古書市場で発掘された。著者は、かつて夏目漱石と学習院の英語教師の座を争った人物、重見周吉。彼は一世紀以上も前に、医学を学ぶため、四国・今治を出、島国・日本を出、大洋を越えて単身アメリカに乗り込み志を全うした。留学費用捻出のため英文で著され、出版当時好評を博したこの自伝的エッセーは、故郷今治の当時の暮らしを紹介すると共に、彼の精神性豊かな少年の日々を描きだす。