すぐれた俳人、たとえば芭蕉、子規、虚子、久女などは見事な散文の書き手であった。現代の俳人を自称する私たちもその前例にならいたい。この「俳句とエッセー」のシリーズは、俳句グループ「船団の会」の俳人たちの句と散文の交響を目指す試みである。シリーズ第一作目の『水の容』では、木村和也の愛してやまない水が俳句と散文の豊かな地下水になっている。 (坪内稔典)。