「どの道もさくさくさくらミルフィーユ」と口ずさむ。すると心の中まで桜が咲く。寒い夜には「今はダメ湯たんぽにお湯入れるから」を思い浮かべる。ついつい口元がゆるむ。紀本直美の俳句では今の言葉、現代の表現が軽やかに生きている。いいなあ。(坪内稔典)